それからしばらく経って、香取くんがキッチンに入って来た。
それと入れ替わるように高森くんが休憩に入る。
香取くん、顔赤いし、なんかソワソワしてるような……。
「香取くん?」
「は、はい?」
流しで洗い物をしている香取くんは、こっちを向くことなく返事をした。
「結果は?」
「えっ?」
「報告してくれないの?」
「あっ、えっと……その……」
こっちを向いた香取くんは恥ずかしそうにしていて、俯いたまま。
「早く教えて?」
「えっと……その……あ、あ、あ、杏ちゃんと、付き合う事になりました」
香取くん、可愛い。
「おめでとう!」
「あ、ありがとう、ござい、ます……」
「杏ちゃん、可愛いもんね」
香取くんは俯いたままコクンと頷いた。
「俺、告白されたの初めてで……その、彼女が出来たのも初めてで……」
香取くん、可愛い顔してるのに意外だな。
「なんか、よくわからなくて、夢見てるみたいです」
「彼女のこと、大切にしてあげなよ」
「はい」
香取くんは結局、俯いたままこちらに顔を向けることなく、そのままクルリと流し台の方に体を向けて洗い物を始めた。


