「香取くん、ここに来るように言ったから、それは自分で渡しなよ?」 「えっ?で、でも……」 杏ちゃんはそう言って顔を赤くして、少しオドオドしてる。 「大丈夫だよ」 「私……」 「座ったら?香取くんが来るまで一緒に待っててあげる」 杏ちゃんは椅子に座る。 「何か飲む?」 俺はメニューをテーブルに広げた。 「い、いえ……」 「そう?」 広げていたメニューを畳んだ。 「オーナー!」 来た来た。 香取くんは走って来たのか、息が上がっていた。 状況が飲み込めず、驚いた顔をしてる。