「ゴメンね。杏ちゃんのお願いは聞いてあげられない」
「えっ?香取さん、彼女いるんですか?」
今にも泣きそうな杏ちゃん。
「彼女の話は聞かないから、今はいないんじゃないのかなぁ?」
「じゃあ、何で……」
「ちょっと待ってね」
俺はスマホを取って店に電話した。
「あ、恵理子ちゃん?俺。あのさぁ、香取くんに休憩に入るように伝えて?」
『香取くんが休憩入ったら高森くんが1人になっちゃいますけど?』
「◯◯ってカフェに来て?って言ってもらえる?香取くんが来たら俺は店に戻るから」
『わかりました。伝えておきます』
「頼んだよ。じゃあね」
俺はスマホの通話終了を押して、テーブルに置いた。
時計を見る。
香取くんが来るまで5分くらいかな。


