今日からキミは俺のペット♡





「オーナー、今日何か変っすよ?」



香取くんがそう言って俺の顔をジーと見る。



「そう?」


「はい。何かイライラしてないっすか?」


「もしかして、アリスちゃんと喧嘩でもしました?」



そう聞いてきたのは高森くん。



「てかさ、無駄話はいいから手を動かせよ!」



俺はそう言って、持っていた泡立て器を床に投げつけた。


さっきまでヘラヘラしていた高森くんと香取くんの顔から笑顔が消える。


俺は床に落ちた泡立て器を拾い上げると、それを今度は流しに投げ付けた。


“ガンッ”と大きな音が静かなキッチンに響く。



「…………ゴメン。ちょっと先に休憩もらう。頭冷やしてくる」



俺はそう言ってキッチンを出て、ロッカールームに入った。


コックコートを脱いで、コートを羽織り、スマホと財布を持ってロッカールームを出た。



「ちょっと出て来るから、何かあったら電話して?」



俺は恵理子ちゃんにそう言って店を出た。