何も言わない桃谷さんのお父さん。
「早く答えろ!」
今にも飛びかかりそうな桃谷さん。
その時、桃谷さんの言葉が頭を過ぎった。
“殺したいくらい憎んでる”
ダメ!
私は走って桃谷さんの側に駆け寄った。
「桃谷さん!ダメ!」
私は後ろから桃谷さんの腰に手を回した。
「アリス?」
「桃谷さん、ダメ!」
お父さんに飛びかかりそうな桃谷さんを必死に止める。
「悠?お前、女と一緒にいるのか?いいマンションに住んで、いい車に乗って、若い女と暮らして、いいご身分だな」
桃谷さんお父さんはそう言って下品に笑う。
桃谷さんは私を振り解きお父さんに殴りかかりそうな勢いだった。
「ダメ!桃谷さん!ダメだよ!」
そんな桃谷さんに抱きついて必死に止める私。
ダメ……。
殴ったりなんかしたら……。
桃谷さんの手が傷ついちゃう。


