地下駐車場に着いて、駐車場に続くドアを開ける。
桃谷さんの車を見つけ、間に合ったとホッと胸を撫で下ろした時……。
駐車場に響く声が聞こえてきて、足を一旦止めた。
「何しに来た」
えっ?桃谷さんの声?
誰か来たの?
足音を立てないように駐車場に入る。
駐車場の隅っこに桃谷さんとスーツ姿の中年の男性がいるのが見えた。
「父親に対して随分な口の聞き方だな」
父親?
あのスーツ姿の男性は桃谷さんのお父さん?
「お前の事なんか父親だなんて一回も思った事ねぇよ」
いつも穏やかな口調の桃谷さん。
でも、いつもと違う言葉遣いにビックリする。
「随分と立派になったなぁ。悠」
「てか、ここが何でわかった」
「さぁな。何でだろうな」
「答えろ!」
桃谷さんの怒号に思わず肩がビクンと揺れた。


