「えっ?図書館、ですか?」
「うん」
店から車で10分もかからない市立図書館。
俺はそこの駐車場に車を停めた。
「どこ連れて行かれると思ってたの?」
アリスの顔を覗き込むようにしてそう聞くと、さっきよりも顔を赤くして俯くアリス。
「いや、えっと……」
そんなアリスを愛おしく思い、頭を優しく撫でた。
アリスは可愛いね。
「行こう?」
「あ、はい……」
俺とアリスは車を降りて、図書館の出入口に向かって歩いた。
並んで歩く俺とアリスの微妙な距離。
俺はアリスの手をギュッと握った。
ビックリして顔を上げて俺を見るアリス。
「デートっぽいでしょ?」
俺はそう言ってアリスに笑顔を見せた。


