私たちはそのあとも恋話したり他愛もない話をした。


さっきまで気まずい雰囲気だったのに。


杏もすっかり元気を取り戻し、私も杏にちゃんと話が出来て良かったと思った。



「そろそろ出よっか?」


「そうだね。あっ、ここは私が出すから」



私はそう言ってカバンから財布を出した。



「悪いからいいよ〜!」


「いいのいいの!」



私はそう言って、伝票を持ってレジに行った。


桃谷さんからもらった1万円ではなく、自分の財布からお金を出す。



「アリス、ありがとうね!」


「ううん」


「またLINEする」


「私も」


「またね!」


「うん!また!」



私と杏は笑顔で別れ、駅に向かって歩き出した。