「図星?」
「あ、いや……その……」
「アリス、わかりやすい」
杏はからかうようにそう言ってクスッと笑った。
「桃谷さんは、私をただの同居人としか思ってないよ。それかペットとか」
「ペット!?」
「だって、一時期、子猫ちゃんって呼ばれてたし……。まぁ、桃谷さんは私の名字が根古谷なのと背が低くて小さいからって言ってたけどね」
恥ずかしくて顔が熱くなる。
「子猫ちゃんって!ウケる〜!」
杏は大爆笑。
そんなに笑わなくても……。
さっき失恋したと言って泣いてたくせに。
「桃谷さんって確かにイケメンだよね。一見、クールそうで冷めた感じに見えるけど、でも実は優しくて、そのギャップにキュンとするみたいな」
杏の言ってること当たってる……。
って、前に杏はイケメンパティシエの話をしてたけど、まさか本当に桃谷さんのこと……。