「実は今日、溝口先生に告ったんだ」
「えっ?」
そこで杏の涙の意味がわかった。
溝口先生がどう返事をしたのかも。
「前も言ったけど、本当は告るつもりはなかったんだけどね。でも、もうすぐ卒業だし、今日はイブだし。だから溝口先生の仕事終わるくらいの時間に学校の校門の前で待ち伏せして、思いきって“好きです”って言ったんだよね」
「うん……」
「あの噂、本当だった」
複雑そうに笑う杏の目からポロポロと大粒の涙が零れ落ちていく。
その時、タイミング悪く店員さんが注文していたものを持って来た。
何かを察した店員さんはミルクティーとカフェラテをテーブルに早々と置くと、会釈だけしてその場を離れて行った。


