ロッカールームに入ると桃谷さんが椅子に座っていた。
「アリス、ゴメンね。真奈ちゃんから事情は聞いた」
「いえ……」
「バイト禁止って知らなかったから……」
「桃谷さんは悪くないです。私が言わなかったのが悪いんで……」
「明日は休んでいいからね。今日みたいに忙しくないし」
「ダメです!今日明日って約束だから明日も来ます!」
「アリスは優しいね」
桃谷さんはそう言って、椅子から立ち上がると私の頭を優しく撫でた。
「今日はもう上がっていいから、これでお友達とご飯でも食べながら、ちゃんと事情を話しておいで?」
そう言った桃谷さんはニッコリ笑顔を見せたあと、私に1万円札を差し出した。
「えっ?い、いいです。お金は頂けません」
「いいから」
桃谷さんは私の手に1万円札を握らせると、ロッカールームから出て行った。


