「あ、あの!」 私はその場に立ち上がり男性の背中に声をかける。 「何?」 立ち止まり、こちらを振り向いた男性は笑顔でそう言った。 「あ、あの!ひ、ひ、一晩だけでいいから、泊めて下さい!」 自分でも何でそんなバカな事を言ったのかわからなかった。 言った後にハッとして後悔した。 男性は一瞬だけ目を見開くと、すぐに笑顔になる。 変な女だと思われたらどうしよう……。 でも…………。 「いいよ」 「へっ?」 男性の答えに、思わずマヌケな返事をしてしまった。