12月24日。
クリスマスイブ。
2日前から桃谷さんはお店に泊まり込みで仕事をしていて帰って来ていない。
私は一昨日から冬休みに入った。
だからと言ってすることもなく。
朝からリビングで冬休みの課題をしていたら、桃谷さんから電話があった。
ーーアリス、助けて!
とても切羽詰まった桃谷さんの声。
いつも冷静な桃谷さんなのに……。
理由を聞くと、バイトの子が1人風邪をひいて来られないとの事。
だから私に代わりに今日明日とバイトに来て欲しいという内容だった。
桃谷さんを助けたい。
そんな思いから、接客業なんてしたことないのに承諾した私はカバンを持ち、桃谷さんの店へと行っていた。