「もうすぐクリスマスだけど、ケーキの予約はどんな感じ?」
仕事終わりのミーティング。
俺はバイトの真奈ちゃんにそう聞いてみた。
「雑誌に載ったからかなぁ?去年よりかなり予約が入ってます。今の時点で、だいたい150くらいですかねぇ」
「わっ!そんなに?」
「はい。でも受付は22日までなんで、それまでまだ増える可能性も……」
「そっか……」
俺はカレンダーを見た。
今日は12月10日。
クリスマスケーキは23日から25日までの3日間の予定で売る。
クリスマスケーキ販売まで、あと13日。
「オーナー、どうします?去年より早目に泊まり込みしますか?」
高森くんがそう言った。
去年は22日から泊まり込みで作り始めた。
でもそれは去年のケーキは予約が150も入ってなかったからだ。
でも今年は22日から泊まり込みで作っても間に合わないかもしれない。
だからと言って、早くから作り始めて冷凍して作り置きもしたくない。
「うーん……」
「3日間だけ人を増やしたらどうですか?」
俺が考えてる横で香取くんがそう言った。
「人を増やすって、素人が出来る仕事じゃないんだぞ?」
高森くんが香取くんにそう言ったけど……。
「うん、人を増やそう」
俺がそう言った時、高森くんと香取くんは驚いた顔をしていた。


