11時少し前に杏の家に着いた。 杏は両親とお姉さんの4人家族。 「今日は私1人なんだ。親は仕事でお姉ちゃんは彼氏とデート」 階段を上りながら杏はそう言って笑った。 久しぶりに入る杏の部屋。 女の子らしいピンクを基調とした部屋には、ぬいぐるみや雑貨などが沢山あった。 「杏の部屋に入るの久しぶりだね!」 「そうだよね。あっ!お茶淹れてくるから待っててね」 「うん」 私はコートを脱いでカバンとコートを床に置いて、その場に座った。