寒さで震える手。
ペットボトルのキャップを外そうにも上手く外せない。
手に“はぁー”と息を吹きかけ、少し手を暖めてからペットボトルのキャップを外して、お茶を一口飲んだ。
買った時には温かかったお茶も、今は完全に冷めてしまって、ただの生温いお茶になってしまっていた。
その時、再びコンビニの自動ドアが開いたのが見えた。
そちらに目をやると、さっきの男性がコンビニ袋を持って出て来た。
また目が合って、慌てて目を逸らす。
男性は車のドアを開けて、コンビニ袋を置いて車のドアを閉めた。
運転席に乗るのかと思いきや、男性はこちらに向かって歩いて来る。
ヤバイ!こっちに来る!
文句でも言われるのか……。
しゃがんでいた私はその状態のまま少しだけその場から離れた。


