俺達はその女性の近くに席を取った。
「それにしても凄いドクロだったね」
ワザとなのか、木暮が言った。
俺は慌ててふためいて彼女を見た。
彼女は青ざめているように見えた。
俺はドキドキして、身を縮こめた。
(――もう、木暮の馬鹿。よりによってこんな場所で)
俯き加減で又彼女に目をやる。
でも二人は気付いていないようで、アイスコーヒーを飲んでいた。
(――二人?)
俺は彼女が一人だと思っていたのだ。
でも隣にはもう一人……
その人は俺達が探していたゴールドスカルのペンダントヘッドを身に付けていた人だったのだ。
みずほのコンパクトが熱を帯びている。
ずっとポケットに仕舞いぱなしだったから呼吸をしたがっているのかと思った。
それでも俺は躊躇した。
あの言葉を見たくはなかった。
その時、木暮の手がコンパクトを奪い開けていた。
「あっ!?」
木暮の驚き声を耳にした時、まだ見せていなかったと思った。
でも確かに、以前見せたはずだと気が付いた。
俺はそっとそのコンパクトに写し出された映像に目をやった。
「あっ!?」
俺も驚いて声を発していた。
「これは何なんだ!?」
二人同時に言っていた。
コンパクトに書かれた“死ね”の文字にゴールドスカルの映像が重なっていたのだ。
それはますます不可解な様相を呈しているかのように思えた。
俺はそっと、後ろを振り向いた。
知らない間にそのペンダントヘッドの持ち主が横に立っていたのだ。
俺は慌ててコンパクトを閉じた。
「さっき確か会ったよね?」
「えっ、何時ですか?」
俺はとにかく知らばっくれることにした。
「原田の葬儀会場でだ」
「えっ、その原田って誰ですか?」
俺は更にすっとぼけた。
「あっ、そうか本名知らないか。あのボンドー原っぱのことだよ」
「えっ、彼処にいたのですか? 大勢いたので気が付かなかった」
俺は悪いと思いつつ、更に嘘を重ねた。
「実は俺の彼女、原田の恋人だったらしいんだ。何だか気になってさ。だから君達が何か知っているのかなと思ってさ」
「へー、彼女ってパフォーマー好きなんですね」
俺は思わず言っていた。
「いや、彼女はロック好きなんだ。これ噂だけど、原田があんな風になったから俺に乗り換えたらしいんだよ」
その人はそう言った。
彼はきっと心配だったんだ。
だから彼女が居ない内に聞いてみたかったのかも知れない。
そう、彼女は俺達の気付かない内に席を外していたのだ。
「いや、俺達ただボンドー原っぱさんにお別れをしたかっただけです」
全ての意図を汲んで、木暮が言ってくれた。
「君がレポーターに何か言いたそうに見えたんだ。だからもしかしたらなんて思ってさ」
彼はそう言いながら席に戻った。
其処を見ると、まだ彼女は居なかった。
彼が椅子を腰を下ろした頃、彼女が戻って来たのが見えた。
手には携帯があった。
どうやら、電話をしていたらしい。
彼は俺達に目をやり、唇に人差し指を当ててから慌てて彼女と向き合った。
「それで決まった?」
「やっぱり一週間後此処で」
「俺が居たらダメかな? この際だから、みんなに紹介してほしいな」
「女子会なのよ、ダメに決まってる」
彼女は笑っていた。
俺達は二人の一言一句を聞き逃さないようにと神経を集中させた。
(――女子会か……
――あれっ、さっき見たような気がする……)
俺はこのカフェに入る時に、貼り紙を目にしていたのだ。
それはカフェには似つかわしくないドデカサイズのポスターだった。
(――女子会か?
――一体どんなものなんだろう?)
俺はそれに物凄く興味を覚えていた。
「ねえ、そのペンダントどうしたの?」
彼女は意を決したように言った。
俺には、彼女の真剣そうな口調がそう聞こえていたのだ。
「私が買った物に良く似ているの。ずっと探し続けているんだけど見つからないのよ」
MAIはそう言っていた。
(――ずっと探し続けるいるか?)
何故だかそこが妙に引っ掛かっていた。
でも俺は深読みする訳でもなく、ただその場で聞き耳を立てていた。
女子会はクリスマス前に行われるこのカフェの恒例行事のようだった。
学校が休みになる前に大人女子だけで楽しもうと言う企画のようだった。
大人女子のネーミングに木暮が反応した。
俺は何やらヤバイ予感がした。
「それにしても凄いドクロだったね」
ワザとなのか、木暮が言った。
俺は慌ててふためいて彼女を見た。
彼女は青ざめているように見えた。
俺はドキドキして、身を縮こめた。
(――もう、木暮の馬鹿。よりによってこんな場所で)
俯き加減で又彼女に目をやる。
でも二人は気付いていないようで、アイスコーヒーを飲んでいた。
(――二人?)
俺は彼女が一人だと思っていたのだ。
でも隣にはもう一人……
その人は俺達が探していたゴールドスカルのペンダントヘッドを身に付けていた人だったのだ。
みずほのコンパクトが熱を帯びている。
ずっとポケットに仕舞いぱなしだったから呼吸をしたがっているのかと思った。
それでも俺は躊躇した。
あの言葉を見たくはなかった。
その時、木暮の手がコンパクトを奪い開けていた。
「あっ!?」
木暮の驚き声を耳にした時、まだ見せていなかったと思った。
でも確かに、以前見せたはずだと気が付いた。
俺はそっとそのコンパクトに写し出された映像に目をやった。
「あっ!?」
俺も驚いて声を発していた。
「これは何なんだ!?」
二人同時に言っていた。
コンパクトに書かれた“死ね”の文字にゴールドスカルの映像が重なっていたのだ。
それはますます不可解な様相を呈しているかのように思えた。
俺はそっと、後ろを振り向いた。
知らない間にそのペンダントヘッドの持ち主が横に立っていたのだ。
俺は慌ててコンパクトを閉じた。
「さっき確か会ったよね?」
「えっ、何時ですか?」
俺はとにかく知らばっくれることにした。
「原田の葬儀会場でだ」
「えっ、その原田って誰ですか?」
俺は更にすっとぼけた。
「あっ、そうか本名知らないか。あのボンドー原っぱのことだよ」
「えっ、彼処にいたのですか? 大勢いたので気が付かなかった」
俺は悪いと思いつつ、更に嘘を重ねた。
「実は俺の彼女、原田の恋人だったらしいんだ。何だか気になってさ。だから君達が何か知っているのかなと思ってさ」
「へー、彼女ってパフォーマー好きなんですね」
俺は思わず言っていた。
「いや、彼女はロック好きなんだ。これ噂だけど、原田があんな風になったから俺に乗り換えたらしいんだよ」
その人はそう言った。
彼はきっと心配だったんだ。
だから彼女が居ない内に聞いてみたかったのかも知れない。
そう、彼女は俺達の気付かない内に席を外していたのだ。
「いや、俺達ただボンドー原っぱさんにお別れをしたかっただけです」
全ての意図を汲んで、木暮が言ってくれた。
「君がレポーターに何か言いたそうに見えたんだ。だからもしかしたらなんて思ってさ」
彼はそう言いながら席に戻った。
其処を見ると、まだ彼女は居なかった。
彼が椅子を腰を下ろした頃、彼女が戻って来たのが見えた。
手には携帯があった。
どうやら、電話をしていたらしい。
彼は俺達に目をやり、唇に人差し指を当ててから慌てて彼女と向き合った。
「それで決まった?」
「やっぱり一週間後此処で」
「俺が居たらダメかな? この際だから、みんなに紹介してほしいな」
「女子会なのよ、ダメに決まってる」
彼女は笑っていた。
俺達は二人の一言一句を聞き逃さないようにと神経を集中させた。
(――女子会か……
――あれっ、さっき見たような気がする……)
俺はこのカフェに入る時に、貼り紙を目にしていたのだ。
それはカフェには似つかわしくないドデカサイズのポスターだった。
(――女子会か?
――一体どんなものなんだろう?)
俺はそれに物凄く興味を覚えていた。
「ねえ、そのペンダントどうしたの?」
彼女は意を決したように言った。
俺には、彼女の真剣そうな口調がそう聞こえていたのだ。
「私が買った物に良く似ているの。ずっと探し続けているんだけど見つからないのよ」
MAIはそう言っていた。
(――ずっと探し続けるいるか?)
何故だかそこが妙に引っ掛かっていた。
でも俺は深読みする訳でもなく、ただその場で聞き耳を立てていた。
女子会はクリスマス前に行われるこのカフェの恒例行事のようだった。
学校が休みになる前に大人女子だけで楽しもうと言う企画のようだった。
大人女子のネーミングに木暮が反応した。
俺は何やらヤバイ予感がした。