陶器のような繊細できめ細かい白い肌は、ニキビ一つない。


唇は薄く、鼻梁は筋が通っていて少し高い。


そして瞳を閉じているせいか、睫毛の長さがよりいっそうよく窺える。


容姿が良いと言うのは、正にこのことだろう。



しかし私が一番注目したのは顔の造形ではなく、ふわふわとした少し茶色よりの触り心地良さそうな髪だった。


「触っちゃ駄目かな…」

思わず洩れた本音。




勿論、返答が返ってくるなどと予想はしていなかったが。




「…いいよ。別に触っても」

口を大きく開け欠伸をしながら、目をこする猫山君は、簡単に承諾してくれた。



だけど私は髪を触る許可を貰ったことよりも、猫山君が起きたことに驚きすぎて、思わずポカンと間抜け面を晒してしまい、瞬きするのにすら時間がかかった。