それで疲れて、昼休みがもう少しあることを確認すると、ほんの少しだけ休憩するつもりで、木陰に入って、木の幹に座っていると眠ってしまった。

これで間違いないと思う。


だけど問題は此処からで、眠りから覚め目蓋を上げると、肩口に重みを感じた。


横目で確認してみれば、猫山君がいたという訳だ。



「……全然、分かんない」

つい、猫山君が寝ていることを忘れ、普段のトーンでポツリと呟くと。


「…ん、」


猫山君の口から洩れた小さな声。


一瞬起こしてしまったかもしれないと思ったが、一向に起きる気配は無い。


――…よかった。

思わずホッと胸を撫で下ろした。


すると安心したからか、それともこの状況に慣れたからか、厚顔無恥な私は、この機会にと猫山君の顔をじっくり観察して見ることにした。