――だけど。

「…どうして?」


今の私の口からそんな言葉以外出てくる様子は無い。


私の肩口で、スースーと寝息をたてながら気持ちよさそうに寝ている猫山君の姿を今一度体は動かさず横目で確認する。


一瞬夢かと思ったが、夢か現実か猫山君が起きないよう肩口に配慮しながら、それを確かめることは難しい。


普段の私なら自分の頬を力いっぱい摘むぐらいはしそうだが、手を動かせば振動で猫山君が起きるかもしれないと危惧して、それは出来そうもない。



どうしようか。

そんな事ばかり考えるが何も思い浮かばない。


ひとまず状況を整理しよう。


まず此処は裏庭の木陰で、今は昼休みと言うことで間違いないと思う。


何時ものようにお弁当を一人木陰で食べた後、花壇の草抜きをしていたはずだ。