チリーン
またその音がなった瞬間、我に返りまた走り出した。
未花!
ただ彼女を探すということだけを今は考えることにした。

屋台のはじからはじまでは見たが、未花はいない。
「くそっ、どこにいんだよ」
体中が暑い。
走ってばかりで疲れた。
どこだ…どこいんだよ。
未花…
…ノシタダ…
え?
どこからが声が聞こえる?
…カミザクラノシタダ
次ははっきりと聞こえた。
誰だかしらいないが、声は女の声で俺の頭のなかに響いた。
俺はまた走り出した。
神桜のあるあの場所に向かって。