俺はまた昨日滑り落ちた坂の所に来ていた。
もう一度未花に会うために。
きおつけながら、坂をおりた。


ザヮー。
「着いた…」
風が吹いた。
俺の頬にあたる、心地よい風。
そこに、昨日と変わらずにある神桜。
近づいて行くと
「♪♪〜♪♪♪〜♪♪〜♪♪♪…」
またあの歌を歌っていた。
風が未花の髪を揺らしながら、彼女は歌っていた。
「よう」
俺は話しかけた。
「…やっぱり…くると思った…」
未花は、静かにそう答えた。
「お前って、何者なんだ?」
間があき、しばらくして
「わからない…きづけばここにいた…私はここから離れられない」
なんだそれ?そんなことあり得るのか?
「お前もしかして、幽霊じゃねーの?」