ドアが開くと一人の若者が入ってきた。

山崎は彼を見て笑みを見せた。

「やぁ、私は山崎だ。よろしく」

すると彼は疑いの目で山崎を見つめ、差し出された手を拒んだ。

山崎は手を引っ込め、

「まぁ座ってくれ。私は怪しいヤツじゃない…と言っても信じてもらえないかもしれないが、医者だ」

そう言ったが彼は相変わらず一言もしゃべらず部屋の中を観察している。

山崎がソファーに腰を下ろそうとすると、

「何で俺を呼んだんだ」

と彼は言った。

そして続けて、

「俺の何を知ってるんだよ」

と言った彼の目にはどこか不安そうな影が見えた。