「姉上。」

「・・・何かよう?ストーカー。」

「ひっど!?酷いよ、ねぇさん!!」

「あらぁ?姉上って呼ぶと決めたんじゃなかったかしら?」

「・・・快さんに言いつけてやる。」

「何を?」

「姉上の宝物が兎のぬいぐるみなんだって・・・」

「殺されたいか。」

「嘘です、ごめんなさい。姉上のきゅーとなおめめがすごくマジで怖いです。」

「というよりなんでお前は私のそんな情報を・・・」

「え?癖でいろいろ調べたから・・・?」

「お前本当にストーカーだな。」

「そんなゴミを見るような目でみないでください。」



黒翔氏斗。私の弟でストーカーである。
情報収集が得意なこいつ。依頼されたターゲットの情報を集めるのはいいんだ。うん。
素晴らしいことじゃないか。

だが・・・なぁ・・・


「お前その特技仕事でしか使うな、ばかっ!!!」

「いたっ!?姉上ちょっと待って下さいって!!私は快さんから伝言を預かってきただけです!!」

「快さんから?」

「今度の日曜、デートしないかって。」

「日曜!?」

どうしよう・・・快さんとの約束断ったら・・・

「姉上?用事でもあるんですか?」

「少し・・・ね。」

「ふぅん・・・俊ですか。」

「は!?」

「図星ですね。もうやめたらどうなんです。あの人と一緒にいる事なんて不可能なんです。忘れてしまったほうが楽なんじゃないですか。」

「・・・そんなこと・・・」

「姉上?」

「・・・そうね。」

「ちょっ姉上!?どこに行かれるんですか?」

「気分が悪いの。少し散歩に。」

「でも外は雨です!」

「構わないわ。」


とにかくあいつに会いたかった。