「当たり前のこと、聞かないでよ…」
ほら、思った通りだ。
…聞かなかったらよかった。
「…凪裟に学校に来てほしい。凪裟がいなかったら、なんか寂しいんだよね。って…、あたし何言ってるんだろ。らしくないや…ヘヘッ」
そう言っていたずらっ子みたいに、舌を少し出して無邪気に笑った空。
俺は空を、そのまま抱き締めた。
「えと…これは…その…、どー言うこと…?」
突然のことで驚いたのか、空は固まってる。
「さぁな。勝手に動いた」
「さぁなって何さっ!?」
「何だその喋り方は。…痛いし」
俺の腕の中で、ジタバタ動く空。…幼稚園児にしか見えない。
「凪裟が…変なことするからでしょ」
空は口を尖らせて、ぶつぶつ言ってる。
「変なことって、抱き締めたらダメなわけ?」
「だっ…ダメに決まってる!!」
「…変なやつに抱かれそうになってたやつがゆーな」
俺がそう言うと、空の動きが止まった。
