俺は空を偽りの女にしたつもりはない。
けど、"あたしは、本当の彼女じゃないから別にいいけど…"ってことは、空は俺のことやっぱ何も思ってねぇんだな。
「ねぇ、凪裟…」
俺より20㎝以上小さい空は、当たり前のように目を潤ませながら、上目遣いで俺を見てくる。
「っ…んだよ?」
目を潤ませるとか、何だよコイツ。…バカだとは思ってたけど、ここまでとは思ってなかった。
ちょっとくらい、自覚しろっての。
「…何で…何で、学校来ないの?女の人と遊ぶため…?あたしの態度が嫌だった…?あたしが銀髪ヤンキーに…「それ以上言うな」
それ以上言ったら、俺も…空も傷付くだけだ。…空はしかも、あんなことまでされたのに。また思い出すようなことがあったら、また悲しむだけだ。
「空」
「なぁに…?」
「俺に学校、来てほしいか…?」
俺は、バカなことを聞いてしまった。
んなこと聞いて、何になる?傷つくだけなのに。
俺って、ただのバカだ。
