空がこの溜まり場来たら、どんなに嬉しいことか。
「あっ。凪裟!」
空が恋しくて、幻聴まで聞こえてきたし。
結構俺、重病かもしれねぇな。…ハハッ。
「なーぎーさー?生きてるのー?」
「生きてる。見たらわかるだろ」
何なんだ?この、おかしな幻聴は。
「生きてるのー?」って、何か失礼じゃね?
「生きてるんだったら、あたしの顔見る!!」
空がいねぇのは分かってるから、俺は適当に後ろを向いた。
「やっと、あたしの方見てくれた」
後ろには空がいた。
さっきのは、幻聴じゃなかったってことか。
「何で…何で、こんなとこに来てんだよ?」
「何でって言われても…。最近学校に来ないからさ、心配してたんだよ?そしたら神宮寺愁に、溜まり場に居るぞって言われたから来てみれば…女の人といるし。…あたしは、本当の彼女じゃないから別にいいけど…」
最後の方になると、空の声が掠れている。
