まぁ、この話は置いといて。
「溜まり場って言われても、何処にあるか知らないし」
「それやったら、本人に直接聞いたら?」
「咲本凪裟に?無理無理。てか、アド知らないもん」
「はぁ。アンタって奴は…」と、夢歌は大きな溜め息とともに言った。
「仕方ないじゃん。まず、教える理由がないから」
「そんなこと言って。今、後悔してるやろ〜?」
図星なんだけど。
あたしが何も答えずあたふたしていると、「ユメ」と聞きなれた声が聞こえた。
「藍くん!!」
橘藍兎は、夢歌のことを"ユメ"と呼ぶ。
それとわかったことは、夢歌は橘藍兎を目の前にすると、もじもじしてる。
ぜーったい、橘藍兎のことが好きなんだって!
恋する乙女って素敵ね〜。
見てる限り、二人は両想いだし。
付き合ってるって噂も、流れたことがあるしね。
