「ち、違うから!これは、えっと…」
「何が違うんだ?」
頭上から声が聞こえて上を向くと、何故か顔のあちこちに絆創膏を貼ってる咲本凪裟がいた。
「なっ、何でもないっ!!それより、どうしたの?…そのケガ」
「ん?あぁ、喧嘩しただけだから」
「そっかぁ…って…喧嘩!?」
咲本凪裟に優しいとこがあったとしても、やっぱり不良なんだとつくづく思う。
「んな驚くことじゃねぇだろ」
驚くことじゃないって…。
咲本凪裟みたいに喧嘩とかしないから、驚くんでしょーが!!
「リュウガ」
リュウガって、銀髪ヤンキーだよね?
てかそれしかいないか。
「銀髪ヤンキーがどうしたの?」
「昨日他校のダチと絡んでたんだけどさ、そこにリュウガが来たから、ちょい遊んでやっただけだから」
咲本凪裟が言う"遊び"って、殴りあいのことだよね。…絶対。
