「知ってるけど、いつも咲本くんの話してるやん。だから、会うのが楽しみなんかなぁって、思っただけや!!」


あっ、そーですか…。


でもあたし、一生咲本凪裟を待つ気無いですから。


「みんなっ!凪裟来たわよ!」


あたしのクラスの派手系女子が、咲本凪裟が来たことを伝えに来た。


「空の王子様のお出座し(オデマシ)やね」

「えっ!?だからあたしは、嫌いって言ってるでしょ!?」


何故か冷やかす夢歌に、あたしは怒鳴った。


怒鳴ったのはいいんだけど、その声があまりにも大きくて…。


教室に入ってきた咲本凪裟に、あたしが睨まれた…。