「パーカー返して!」


夢歌にそう頼んでみたけど、夢歌は笑いながらあたしのパーカーを橘藍兎に渡した。




ひ、ひどい…。



橘藍兎は首をかしげながら神宮寺愁にパーカーを渡して、


神宮寺愁はニヤニヤ笑いながら水嶋大我にパーカーを渡した。




「水嶋くん返してよっ!!」


「やーだね。

凪裟プレゼント♪」



あたしのパーカーは、咲本凪裟の手の中にいる。



いいなぁ…じゃなくて!!



「凪裟、返して…?」



あたしより遥かに大きい咲本凪裟を見ながらそう言った。



何かわからないけど、凪裟の頬がほんのり赤いような気がする。




もしかして、熱?