それもそのはず。


自分と正反対の俺が、橘を返せって言ったんだから。


「咲本凪裟って…、あの咲本!?」

「気安く俺の名前を呼ぶな」


「汚れる」と言って、北中の不良を睨む。


「俺達の方が多いんだ。こんなヤツに負けるわけがない」


バカじゃねぇの?



本気でそう思った。


ケンカで俺に勝とうだなんて、相当の実力者じゃないと無理だ。


人数が多くても、所詮雑魚は雑魚。


「面白いじゃねぇか。俺に勝てると思ってんのか?」


俺が挑発すると、5人一気に飛び掛かってきた。


結果は俺が予想してた通りだった。


北中の不良達は、泣きながらどっかに走っていった。