まさか、そんなわけない。 あたしはただ、咲本凪裟の偽りの彼女。咲本凪裟は、適当に選んだに決まってる。 あたしが咲本凪裟のことを好きになるはずないから、あたしを選んだに決まってる。 「俺さ、」 今まで、ずっと口を閉じていた咲本凪裟が、突然口を開いた。 「ジェットコースター、苦手なんだよな」 え…? 「えぇーっ!?」