「あっ、そろそろ時間だ。さっき夢歌にメールしたら、今日暇なんだってさ。夢歌誘うんなら、電話しなよ〜春。
それじゃ、行ってきます!」
「「行ってらっしゃ〜い」」
咲本凪裟、何であたしを誘ったんだろ?
あたしをからかうため?
それとも、あたしのことが好き…んなことないと思うけど。
咲本凪裟の行動を見つめ直していたら、約束の駅前の広場に着いていた。
「あ!」
辺りを見渡すと、咲本凪裟が壁に凭(もた)れていた。
何と言うか、かっこよすぎて近づけない…。
ジーパンにTシャツっていう単純なコーデなのに、何でこんなに着こなせるんだろ。
あたしだったら、絶対無理だなぁ。
