「えと…なんか、そこに虫がいてわたし焦っちゃって…うん、そうそう!!虫がね、うん…」
なに言っちゃってるんだわたし!!
ポカーンとした顔の伴くんから視線をはずし、1人赤面するわたし。
「……ぷっ」
ぷっ??
「ははははは…っ!!!
おまえおもしろすぎ…」
顔を上げると爆笑してる伴くん。
このときはじめてわたしは、伴くんのことをかっこいいと思ってしまった。
「ありー?中野まだ帰ってなかったの?」
数学教官室の中から松井先生がでてきた。
「あ、えと…このプリント出しに来ました」
松井先生はプリントを受け取ると、ニコッと笑って職員室に歩いていった。
「あれ、虫じゃないんだね」
「…!!??」
そうじゃんわたし!!
伴くんに虫がどーのー嘘ついちゃった!
殺されるー!!!

