そこには、一年前の面影など、微塵もなかった。



架綾はまだ生きて居る。



分かっている…



分かっているのに、体がついて行かない。



「架…綾……」



やっとのことで絞り出した声は、小さく…そして、弱々しいものだった。



「一緒に頑張ろうな…?はやく…なおそう、な?」



思ったことを口にする。



"格好悪い"…自分でもそう思った。



それでも、架綾は小さく微笑んでくれた。



ずっと大好きだよ?



…そう、言い合った仲。



愛してるよ?



ニッコリ笑って言い合った言葉。



今でも、鮮明に、

いろあせずに、

俺の心に刻まれている。



「大好きだから…」



思わずこぼれる言葉に、母親らしき人は涙を浮かべた。