…俺は、抱き締めた。 力一杯。包み込むようにして。 「ね、ぇ?本当に私で良い…の……?」 不思議そうに。 悲しそうに。 俺に言う。 本気で、全身が、 叫んでいる。架綾を必要としている。 「病気だろうが、二年だろうが、俺は今の架綾が好きだよ?」 目に溢れる涙を、親指で拭った。 「大好きだよ、架綾。」 どんどん溢れ出て来る感情。 そんな俺達を、月は照らしていた。