「でも楽しかったよお母さん
あたしが勇者で栄ちゃんが妖精だったからね!」
「そうか♥︎そんなかわいい勇者いたらお母さんがモンスターになって食べちゃいたいくらいだよ♥︎」
危ない発言だぞそれ!
「男。弥生が勇者でお前が妖精だってよ
お前は勇者に切り殺されればいい!」
「おー!裏切り!」
いや、普通勇者は主人公だから裏切りはないと思うが……
「弥生、ちょっとお母さん買い物に行かなきゃいけないから行ってくるね」
「えーさっきあたしたち出かけてたんだから言ってくれればよかったのに」
「弥生と客に頼むわけにいかないじゃん?
元々自分で行く予定だったし行ってくる」
「お母さんちょーイケメン!好き!」
「お母さんも弥生大好き♥︎♥︎♥︎」
微笑ましい家族だ
そしてお母さんは買い物に行った
「ね?嬉しそうだったでしょ?」
「いや、わかんないよ!」
どこを見たらそう思うのかわからん!
「そうかなー?お母さん変わってるからなー」
「お前も十分変わってるぞw」
「えー!ひどい!」
「お?なんだ?やんのか?」
「あたしに勝てると思うなよー!」
じゃれあいが始まってしまった
付き合い当初から変わらない光景だが
本気で俺に勝とうとするためにあの手この手を試してくる
「くらえエルボー!」
「本当にいてーやつじゃねーか!」
「今日こそ栄ちゃんに勝つ!
くすぐり!!」
「ぐあ!やめっこのやろっやられたらやり返されるんだぞ!」
「あははは!ちょっとやめてよ!w」
「お前がやめてさっさと降参しろ!」
「うるせーんだよ!!!静かにしろよ!!」
「……」
今の弥生じゃないよ?



