「簡単に言えば、こんな感じだな」
「こそこそと・・・・・・」
「お前はあまり学校のことを話さないだろう。俺はただ、知らないことを知りたかっただけ」
「情報はたくさんもらえた?」
「少し警戒されていたけど、向こうも琴音の話題だから楽しくなったのか、いくつか笑える話は聞かせてもらえた」
「それが何かは話してくれないのね」
「そりゃあな」

 若干不機嫌になっている自分と違って、支樹は真逆の表情だった。

「こんなにイライラさせることができるのは支樹だけだよ」
「褒め言葉をありがとう」
「褒めてない!」
「もう心配事はないよな?だったら、そろそろ仲良くしよう」

 こうしてせっかく恋人同士になったから。

「仲良くするって、どうすればいいの?」
「目を瞑って」

 ドクンと心臓が脈打った。何をするのかな?わかっているけど、どうしよう。

「あれ?嫌なの?だったら、帰ろうかな」

 立ち上がって、躊躇いなく帰ろうとする支樹の服の裾を引っ張った。

「服が伸びるからやめろ」