「そういえば、ワッフルを食べた?」
「あぁ、美味かったよ」
「良かった。それが気になっていたの」

 何を商品として出そうかと、クラスのみんなで考えたときにワッフルを提案してみたら、思っていた以上に賛成してくれる人が多く、それが決定された。

「接客してくれたら良かったのに」
「仕方ないよ。前から決まっていたことなのだから」
「あ!忘れ物」

 パシャッとカメラのシャッターを切る音が鳴った。

「いきなり撮らないで」
「琴音も見るか?ほら」

 カメラを覗くと、自分の無防備な姿が写っていた。

「一緒に撮る予定じゃなかった?」
「もちろん。どこで撮ろうか?ここだと邪魔になるから、あっちに行こうか」

 そこはまだ人通りが少なく、店から少し距離がある。
 近くにいた人に写真撮影を頼んで、二、三枚撮ってもらった。

「写真ができたら頂戴ね」
「あぁ、どこに飾ってくれる?」
「薄いアルバムがあるから、そこにしまうよ」
「俺は写真立てに飾ってほしい」
「私は大切な写真はそうするの」

 その言葉に支樹がピクッと反応した。

「そんなふうに思ってくれていたのか」