「あの、二人は付き合っているのですか?」
「学生ですか?」
「いつも一緒にいるのですか?」

 支樹も質問されていたが、私もなぜ今まで教えてくれなかったのか、詳しい説明をしてとか、他にもたくさん要求された。
 時間があるときに説明をする約束をさせられ、なんとかこの場はおさまった。こういうときの女の子のパワーは凄まじいと改めて思い知らされた。
 支樹を自分のクラスに誘導するために立ち去ったが、女の子達が後ろで羨ましいとかあとで教室に来るように何度も頼んでいた。

「予想通りの展開だね」
「俺は一番に琴音に会うつもりだったよ」
「あんな状態になっていたら、意味がないでしょ・・・・・・」
「できるだけ人目を避けてきたよ?」
「かなり注目されていたように見えたよ」
「琴音、機嫌を直して。せっかくの祭なのだから・・・・・・」

 どうして私が宥められているの!?支樹は怒られて当然だよ。
 教室に入り、あとのことを初美にお願いをした。初美は苛立ちを笑顔で必死で隠している私と困り果てている支樹を交互に見て、微かに首を傾げた。

「それではごゆっくり・・・・・・」
「もう行くの?」
「はい」

 そのまま振り返らずに、教室をあとにした。仕事に集中しなくては!