大学ってやっぱり楽しいところだとわかって、少しわくわくした。行きたいところにいけるかどうかわからないが、今から頑張ろうという気持ちが強くなった。

「お前、さっさと飴を食べてしまえよ」

 手を口元に当てながら、コクコクとうなずいた。飴はかなり小さくなっている。よしっと思って、飲み込んだが、すぐに後悔した。喉が痛くなったからだ。喉を押さえていると、苦笑いされてしまった。

「さてと、どこから行く?」

 フロアマップを見ると、上の階がさまざまな飲食店が並んでいるので、その下の階から見ていくことにした。昼ご飯は家で食べていた。
 物はたくさんあるが、これといって欲しいものは見つからない。

「最近は本を買ったよ」
「どうだった?」
「恋愛小説で良かったよ」
「へぇ、どんな話?カップルのどっちかが病気で、死ぬまで仲良くなる話とか?」

 ベタな小説の読みすぎと思い、笑いながら否定した。それから簡単にあらすじをいった。
 いつかステキな人に出会えたらと思う。ちらりと横目で支樹を見て、彼は違うなと思った。ちょっと意地悪なお兄ちゃんって感じだし。