私がステージに上がると声には出さないが、女子がにらんできたり、男子が残念そうな顔をしていた。
悪かったですね、地味で!!!
「こちらが今年1年S組の姫になった足高澪さんです。」
ステージの下にいる唯斗さんがそう言った。ちなみに隣には棗がいる。
「では、1年生トップの小川棗さんに姫の証であるブローチを渡してもらいます。」
この声を合図に棗がこっちに来た。
え!?何!?
「手出せ。」
『え・・・うん。』
周りには聞こえないくらいの声量で話した。
私の掌に落ちてきたのは蒼いカキツバタのブローチ。
“蒼”っていうかあ、“海色”って感じ??

