月ノ光




「気付いてもらえないのは、少々残念だな、白川。この館の名を忘れたか?……それとも、俺の名を――」

「――黒羽大和。それで、この館も『大和』だ。」

低い雅の声が、黒羽先生の話を遮った。


「そんなに睨むなよ、神田。でも、覚えていてくれて光栄だ。」


「ま、待ってよ。」

桃香は、黒羽先生に対してどう思っていいか分からない様子で、

「元々黒羽先生の物って……月華が此処に住み始めたのは300年も前でしょ?そんな時代に先生は生まれてもいないんじゃ…。」