月ノ光




一歩、二歩と、足を踏み入れる。

灯りのない室内。光のない完全な闇。


「よく来た。」

耳に届いたのは、聞き覚えのある男の声。


-ボッ

蝋燭の灯りが一斉に点く。
揺らめく灯が、辺りを照らした。


「午後2時13分。――学園からずいぶんと時間がかかったものだな。まあ良いとしよう。」


馴染みのあるロビーの奥、二階へと続く大きな階段の上に、


一人の男――S組担任、黒羽先生が立っていた。