「入ろう。」

一つ深呼吸をし、扉に触れた――――瞬間、

「な……ッ!」

「空が……!」


――それは、陽が殺された時を思い出させるかのように。


明るかった空は、瞬きをするうちに厚い暗雲に包まれた。


-ギィィ

嫌な音を立て、まるで私たちを招くかのように、重い扉が勝手に開く。