朝7時。

寮の自室、机に置いた「月ノ書」を前に、私はただ座ったまま暫くの時を過ごしていた。

結局、私は一睡も出来なかった。

「月ノ書」を一晩中読んでいた。


結論からすると、「月ノ書」は魔導書だ。

それも禁術の。

いつか読んだ”闇ノ魔法”と同じく、知っている魔法は一つもなかった。


加えてどれもこれも、時空を歪め、世界を壊す可能性を秘めているものばかり。

……神の領域に踏み込む行為だ。