「これは……。」 暗がりで存在を主張するその本に触れると、月はいつもの輝きへと戻り、本も光を失った。 「――月ノ書。」 紺青色の表紙に書かれた銀色の題名を、私は無意識のうちに呟いていた。 本を携えて下まで降り、妖精の姿へと戻ったクローディアとともに、今一度本を見る。