―――『今は昔、月姫といふ者ありけり。』 [今となっては昔のことだが、月姫という者がいた。] この一文から始まった物語は、みんなから教えてもらったものと変わりなく進んでいった。 「私たちが知っているのと何も変わらない…。新しい情報にはなりそうにないですね。」 物語も終盤となったところで愛がそう呟き、 私も半ば諦めつつ、次のページを開く。