お願いだから



「もーなんでそゆこというー?」

「だって…昨日もお父さんに怒られて…」

「沙月のパパが?なんで?」

「成績が、悪くて」

「そんなことないじゃん!沙月別に頭いいじゃん!」

「そんなこと言って…那智のが頭いいでしょ(笑)」


ま、それはそうだけどねーなんて笑いながらまた前を向いて歩き出した那智。


那智はいっつも話をまっすぐ聞いてくれる。

私が聞いて欲しいって思ってるのに気付いて、目をまっすぐ見てくる。


「まぁ、沙月んち厳しいもんねー…」

「まだその話のこと考えてくれてたの?(笑)」

「当然じゃん!友達の役目なんてそんくらいだしねー」